「サンティアゴ巡礼」の数あるルートの中でも、「フランス・ルート」は最も有名で、何世紀もの間、フランスをはじめ、それ以外の国々からも多くの巡礼者たちをサンティアゴ・デ・コンポステーラへと導いてきました。サンティアゴを目指して歩いてきた巡礼者たちは、巡礼の歴史の証をあちこちで目にしますが、特に、レオン州との州境にあるセブレイロ峠を越えてガリシア州に入ると、ルート沿いにある修道院の数々を間近に見ることができ、サンティアゴ巡礼の歴史を五感で感じ流ことができます。それらの数ある修道院の中でも、サリアにある「マグダレーナ修道院Monasterio de La Magdalena」は、昔から巡礼者たちを受け入れ、擁護してきたことで知られています。
このアルベルゲは、12世紀に造られた修道院に付属している巡礼者宿泊施設で、サリアの町がつくられたのと同じ時代です。そして、いつの時代でも「サンティアゴ巡礼」と密接な関係を保ってきました。マグダレーナの修道院では、建設当時の初期ロマネスク様式が各所に見られますが、19世紀には改修工事が行われ、現在見られる姿になりました。
このアルベルゲの利点をひとつは、サリアの町から近くにあり、また由緒ある有名な修道院なので、巡礼者たちが迷うことなく見つけられることです。また、サリアの駅からも徒歩圏内にあります。
また、もうひとつの利点は、このアルベルゲが丘の上にあるので、そこからの眺めは素晴らしく、早朝から歩き続けて疲れ切った心身を癒すことができることです。
このアルベルゲの施設としては、3つの大部屋があり、それらの部屋には2段ベッドがあり、部屋の外に共同のシャワー室があります。
そして、巡礼者は、共同スペースを使用することができ、共同のキッチンスペースには、電子レンジや簡単な調理設備や食器があります。また、スナックや飲み物の自動販売機もあります。そして、ロッカーや、セルフサービスの洗濯機・乾燥機などがあります。
サリアへはどうやって行けますか
列車
- マドリッド・チャマルティン駅からの直通列車
- 月曜日から金曜日: 夜行列車「トレン・ホテル(Tren-Hotel)」マドリッド・チャマルティン駅22時30分発、サリア6時50分着。
- 土曜日: 運行なし。
- 日曜日: 夜行列車「トレン・ホテル(Tren-Hotel)」マドリッド・チャマルティン駅発22時30分発、サリア6時50分着。
- 料金: ツーリストクラス51,90ユーロから。
- バルセロナ・サンツ駅からの直通列車
- 毎日: バルセロナ・サンツ駅発9時30分、 サリア駅着21時05分。 夜行列車「トレン・ホテルTren-Hotel」は、バルセロナ・サンツ駅発20:20、サリア駅着8:45
- 料金: ツーリストクラスで75,60ユーロから。夜行列車「Tren-Hotel」は 103,70ユーロから
- バルセロナ・サンツ駅からサリアまでの列車は、タラゴナ(Tarragona)、ジェイダ(Lleida)、サラゴサ(Zaragoza)、パンプローナ(Pamplona)、ビトリア(Vitoria)、ブルゴス(Burgos)、パレンシア(Palencia)、 レオン(León)に止まる。(注意。20時20分発の夜行列車「トレン・ホテルTren-Hotel」は、パンプローナ(Pamplona)とビトリア(Vitoria)には止まらず、しかしログローニョ(Logroño)には止まる)
- ルーゴ駅からの直通列車
- 月曜日から金曜日及び日曜日:1日に5本
- 土曜日: 1日に4本
- スペインの列車の運行時刻や本数などは、季節ごとあるいは連休などにより変更があるので、旅行の計画を立てる際には、必ず以下のウェブサイトで確認することをお勧めします。ただし、2ヶ月以上前の列車はサイトに出ていないことがあります。 www.renfe.com
サンティアゴからの路線バスと専用車での移動
- バス会社Freire(www.empresafreire.com)は、サンティアゴ市とルーゴ市を結んでいます。そして、ルーゴ市でサリア行きのバスに乗り換えます。ルーゴ市行きのバスは、サンティアゴのバスターミナルから、あるいはサンティアゴの空港から乗ることができます。詳しい情報は、このバス会社のウェブサイトをご覧下さい。
- サンティアゴの巡礼専門旅行会社Viajes Viloria – Galicia Incomingは、サンティアゴ市内、あるいはサンティアゴの空港からサリアまで、専用車で巡礼者をサリアへお送りします。送迎場所・区間距離によりお見積りをしますので、以下のメールアドレスにご連絡下さい(メールは日本語でも可)。info@galiciaincoming.com (電話+34 981 56 85 21)
ルーゴ市からの路線バスと専用車での移動
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- バス会社Monforte (www.monbus.es)は、ルーゴ市とサリアを結んでいます。1日に何本もあり、毎日運行しています。詳しい情報は、このバス会社のウェブサイトをご覧下さい。
- ルーゴ市からは、17時30分発で1日に1本ですが、上記のバス会社Monforte, S.Aのバスが、サリアにストップして、オ・セブレイロ峠(O Cebreiro )まで行きます。
サンティアゴ、ポルト(ポルトガル)、ア・コルーニャ、ビーゴの各空港からサリアへ行く場合
- サンティアゴの巡礼専門旅行会社Viajes Viloria – Galicia Incomingは、サンティアゴ、ポルト(ポルトガル)、ア・コルーニャ、ビーゴなどの空港から、サリアまで、専用車で巡礼者をサリアへお送りします。距離により見積りをしますので、以下のメールアドレスにご連絡下さい(メールは日本語でも可)。info@galiciaincoming.com (電話+34 981 56 85 21)
サリアに着いたら、マグダレーナ修道院のアルベルゲまでどうやって行くのか
- バスターミナルからの行き方:
バスターミナルを出たら、Rua Formigueirosという通りに行きます。(前にRepsolのガソリンスタンド)。そのあと、左に曲がり、Rua Pedro Sacoという通りに当たるまで行きます。 そのままRua Pedro Sacoの通りを行き、それからRua Padre Sarmientoという通りを行きます。上り坂の上まで行ったら左に曲がり、しばらく行くとRua Maiorという通りに出ます。Rua Maiorの通りから今度は右へ行き、巡礼ルートの標識の「黄色い矢印」に沿って300メートルほど行くと、「Monasterio de la Magdalena」のアルベルゲがあります。(この修道院は、サリアでは、「Convento de la Merced」という名前でも知られています)。 - サリアの駅からの行き方:
まず、駅を出たら、Rua Calvo Soteloの通りをまっすぐ進み、最初の角で、右に曲がり、Rua Jose Antonioに入ります。San Lazaroという小さい教会を左手に見て、Rua da Calexaという通りをまっすぐ行きます。Rua Maiorという通りに当たったら、今度は右へ行き、巡礼ルートの標識の「黄色い矢印」に沿って300メートルほど行くと、「Monasterio de la Magdalena」のアルベルゲがあります。(この修道院は、サリアでは、「Convento de la Merced」という名前でも知られています)。
アルベルゲに泊まるには巡礼者でなければ駄目ですか。
いいえ、巡礼者でなくても泊まれますが、巡礼者用の宿泊施設ということをご理解ください。
アルベルゲの時間帯を教えてください。
チェックインは、11時からです。
チェックアウトは、8時30分までにお願いします。8時30分から11時までは全館清掃の時間です。
チェックインについては、11時から23時まで受け付けていますが、アルベルゲは、巡礼者が休息するための宿泊施設なので、通常は23時に閉館します。
はい。料金には、シーツが一式と毛布が含まれていますが、寝袋があった方が良いでしょう。
Sí El precio de tu estanca incluye un kit de sábana bajera y funda de almohada. Además disponemos de mantas.
寝室とトイレやシャワー室は男女共同でしょうか。
はい、そうです。
部屋のタイプはどのようなものですか。
大部屋が4つあり、それぞれの部屋に2段ベッドがあります。
食事のサービスはありますか。
アルベルゲには調理人はいませんが、小さいスーパーがあり軽食を販売しています。また共同のキッチンスペースがあり、基本的な調理器具や食器があるので、調理をすることもできます。そして、飲み物やスナックの自動販売機もあります。
アルベルゲでタバコを吸うことができますか。
アルベルゲでタバコを吸うことができますか。
ペットなどの動物を持ち込めますか。
いいえ、禁止されています。
自転車を置いておく場所はありますか。
はい。敷地内と館内に駐輪のスペースがあります。ただし、管理は個人の責任になります。
荷物を預かってもらえますか。
はい。巡礼者がこのアルベルゲに着く前に荷物を送る場合は、こちらで預かることができます。1つの荷物に付き、1日2ユーロです。ただ、「アルベルゲを予約していること」が条件です。
アルベルゲは事前に予約する必要がありますか。
予約は必須ではありませんが、夏のシーズンやスペインの連休などはかなり混むので、予約した方が確実です。アルベルゲのウェブサイトからオンラインで予約ができ、他の予約サイトと比較しても最安値です。
予約をキャンセルあるいは変更できますか。
はい。到着の24時間以上前まではキャンセル・変更は無償でできます。もし、到着までに24時間を切ってキャンセル、あるいは宿泊をしない場合は、1泊の宿泊代がかかります。
料金には何が含まれていますか。
シーツが一式と、コンセントが付いた簡易棚が含まれています。
もしまだ質問があれば、メールをください(日本語でも可)。
サリアに着いたからには、ここから100キロ歩いて「サンティアゴ巡礼」をするわけだけど、少し時間があるからこの辺りを散策してみたい。すでにフランスや遠くからこのサリアまで歩いてきた巡礼者たちもいるし、自転車で巡礼している人たちもいる。自転車はひと昔前までは、スペインではプロとセミプロみたいな人した乗っていなかったらしいけど、ここ十年くらいの間に、「トゥール・ド・フランス」や「ブエルタ・エスパーニャ」などの耐久レースですっかりブームになり、子供達もかなり乗るようになったという。そういえば、馬に乗っている巡礼者たちも数人見かけたけど、お尻が痛くなりそうだ。徒歩だと100キロだけど、自転車と馬だと200キロ以上巡礼しないと「巡礼証明書ラ・コンポステーラ」La Compostela (link)がもらえないそうだ。
サリアは小さい田舎の町だけど、昔から「サンティアゴ巡礼」を歩く人たちがほとんど必ずと言っていいほど、通らなければならない場所なので、重要な地点だ。小さい町と言っても、ここからサンティアゴまでの市町村では一番人口の多い町らしい。それにしても町中は巡礼者たちで溢れているし、世界中から集まってきているのでなかなか賑割っている。これからちょっと散策に出てみよう。
1 聖ヤコブへの信仰に基づく遺産
サリアの町は、「サンティアゴ巡礼」が中世の時代に始まって以来、その後の巡礼ブームから、現代の社会現象になる過程と同時に発展してきました。その結果、この町や周辺には、何世紀にも渡る巡礼の歴史が色濃く残っており、今日、サリアを通る巡礼者たちにその歴史を語り続けています。
- サン・サルバドール教会(Iglesia de San Salvador): サン・サルバドール教会(Iglesia de San Salvador):この聖人サルバドールを祀る教会は、おそらくサリアの中でも「サンティアゴ巡礼」との関係が最も理解しやすいものでしょう。14世紀に建築が始まり、それ以前にあった礼拝所が増築されました。そのため、ロマネスク様式とゴシック様式が混在しています。とくに、「ガリシアのロマネスク様式」と呼ばれるこの地方独自の様式がいくつか見られます。この教会の重要な部分の正面入り口上部には、ロマネスク様式で表現されているキリスト像があり、左手を開いて右手で祝福を与えています。中世のサンティアゴ巡礼を終えた巡礼者たちが、この町を通ってそれぞれの故郷へ帰る際、巡礼証明書の「ラ・コンポステーラ」を見せれば、この教会に泊まることができただけでなく、帰途への援助金として、その当時のお金で銀貨を8枚与えられたそうです。
- メルセダリオスあるいはマグダレーナ修道院(Convento de los Mercedarios o de la Magdalena): 巡礼者がこのマグダレーナの修道院、あるいはメルセダリオの修道院と呼ばれる建物のアルベルゲに宿泊する場合は、修道院を見学することをお勧めします。メルセダリオ修道会とは、イベリア半島を侵略していたイスラム教徒に対抗するためにできた、カトリック・キリスト教のいくつかの巡礼騎士団が集まってできた修道会です。この修道院の建物は、13世紀から14世紀に造られ、16世紀には改築されたので、いくつかの様式の変遷が見られ、特に正面ファサードは、プラテレスコ様式、回廊はゴシック様式、鐘楼や入り口にはバロック様式が見られます。
- サリアの中世時代の要塞の塔(Torreón de la vieja fortareza de Sarria): ガリシア地方の中世時代の後半、この辺りでは、貴族や農民、司祭たちの争いが頻繁にありました。貴族の中でも下級貴族と世俗の司祭が、地元の農民たちと一緒になって、サンティアゴの貴族や司祭たちと争って勝ったりしました。この町に残る中世の分厚い花崗岩でできた塔は、その名残で、13世紀に造られたものですが、もともとは4つあったそうです。しかし、その1世紀後、戦いの中で壊されてしまい、その後、一部は修復されましたが、現在残っているのは14メートルの高さのものだけです。現在はサリアの町が管理しています。
2. 自然の中の遊歩道「パセオ・ダス・アセアス(Paseo das Aceas)
ガリシア州は「グリーンスペイン」と呼ばれる北スペインの西の果てにありますが、昔から雨が多いため、湿度が年間を通して高く、そのために樹木が繁殖しやすい地域です。巡礼者たちがレオン・カスティージャ州からオ・セブレイロ峠を越えてガリシア州へ入ると、明らかに緑が多くなっているのが感じられるはずです。サリアの町も、周囲を豊かな緑に囲まれていて、「パセオ・ダス・アセアス(Paseo das Aceas)」という遊歩道があり、さまざまな種類の木々や植物を見ながら、サリアの川沿いを散歩してはいかがでしょうか。
この遊歩道は、川の両側を一周するようになっていて、全部で5キロちょっとですが、ほとんどが平坦な道で標識もあり、歩きやすく整備してあります。ガリシア地方に何千年も前からあるナラやカシの木や、ローマ人たちが二千年前にイタリアから持ってきた栗の木などの木立の中を歩きます。ただし、雨が降った後、木でできた遊歩道に濡れた木の葉が落ちていると滑りやすいので、底が滑りにくい靴が安全です。
質問を受け付けるための電話:
+34 982 533 568
電話予約は行っておりません
グループ部門
+34 981 56 85 21
メールアドレス:
sarria@alberguesdelcamino.com
住所
Albergue Monasterio La Magdalena
Avda. La Merced 60
27600 Sarria (Lugo), スペイン.
Lugo, España
の位置
42.7788935, -7.4212286,15
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